「アラン、最初に言っておかなくちゃならねえ事がある」 「な、何・・・?」 「好きだ」 息を吐くように簡単に出たその言葉。 その言葉は、私の頬を沸騰させるのに十分過ぎた。 「・・・えっ!?ちょ、ど、どうしたのグロウ!!?」 「殺されかける直前で、…
「あっ・・・・・・」 少女の目の前で少年の肉体が力なく崩れ落ちる。 「いや・・・いやっ・・・!」 少女は何もすることが出来なかった。少なくとも、両目から水を滴らせる事しか出来なかった。 少年の体が、地べたにつく。砂埃が舞い、少女の潤んだ瞳に微…
「がああああ!!」 両手を地面に突き当てる。 床のコンクリートとその下にある土の間に酸を流し込み、床を沈下させ・・・。 「地盤を酸で溶かして足場を不安定にさせるのか?」 「っ!」 全て丸分かりってか。 なら地盤を溶かさずにそのまま留めさせ、それ…
「ぬぐおぉぉっっ!?」 ゲシュビルは宙を一転、二転としまともに受身もとれないまま地面に衝突する。 「アラン!」 その無防備な状態を見逃すわけにはいかない。俺の指示ですかさずアランの名を呼んだ。 「分かってる!」 アランは両の掌を地面にあてる。 …
どうも、やっほいです。 タイトル通り、このブログを見ている皆様に謝らなければならない事があります。 最近はスマホ版で更新していたのですが、久々にPC版で自分のブログを見て、絶句しました。 文字の大きさ等が、それまでと大きく変わってしまったことで…
「・・・」「・・・」「兄ちゃんと嬢ちゃんが俺の相手かい?」その悪魔は、無骨で不敵な笑みを浮かべて佇んでいた。一言で言えば、不気味だ。「俺の名前はゲシュビルってんだ。よろしくな」「・・・グロウだ」「アランよ」「そっかそっか」言葉だけなら、至…
「っ!」天井が崩れ、瓦礫の山ができ、辺り一帯に轟音が鳴り響き・・・。そう認識した時には既に遅かった。目にも留まらぬ速さで近付いてきた黒い影は隙だらけの俺の懐に入り込み、脇腹を突き上げた。体感で、およそ二秒。「・・・」我に返った時は既に吹き…
「走れ!」増援部隊を尻目に俺は叫んだ。取り敢えずアシッドは確保した。後はアランだけなのだが、介渡が言っていた増援部隊が俺達を逃すまいと追いかけてくる。「どうすんだヴァルド、キリがねえぞ!」グロウが焦りを顔に浮かべる。それは俺も同じだ。この…
「介渡!今何処にいるんだ!?」『だいぶ進んでしまったからなあ。恐らく混沌の部屋といったところか。まだ戦ってないけど』もうそこまで行ったのかよ。俺達を置いて卑怯な奴だ。『取り敢えず私も一旦戻ってみるよ。ったく、またあの敵兵の目を掻い潜らなけ…
「ここからは別行動だ」 暫く進んだところで唐突に介渡がそう言った。 「グロウ、マクロ、ヴァルドの三人は上から、アラン、アシッドの二人は地上から、それぞれお互いのチームをカバーしながら進んでいってくれ」 「あんたはどうすんだ?介渡」 「私は単独…
「伏せろ、皆」 介渡に言われるがままに地面に突っ伏す。冷え切った土の温度が体に伝わり、俺は身震いをした。 敵兵は三人・・・。見えてない所まで考慮すると八人はいるか? 徐に介渡が双眼鏡を取り出した。 「ふむ・・・八人か」 当たった。 「基本皆哨戒…
「・・・」 茂みに隠れ、息を殺す。今までやったことのない‘‘殺り方’’に、高揚感と不安感が募る。 俺はヴァルド。レギオンズΣ、帝国支部での指揮官兼参謀を担っている。 そして俺の隣にいるのが、レギオンズΣ支部長、八十島介渡。通称「ヒューマノイド」だ。…
どうも、受験勉強やらスマホやらで全く浮上しなかったやっほいです。 とうとう私もiPhone6です。何で受験期にって言うと、 前使ってたガラケーが壊れたからです。実にどうでもいいですね。 勉強捗りません。それはさておき。 やっと終わりました。東方修行僧…
おいおいどういう事だよ・・・っ! 岩陰に隠れてそっと覗き込む。その視線の先では介渡と、見ているだけで震えが起きてしまうような奴を捉えていた。 俺は気取られないように気配を殺し、二人を注視していた。 ーー何でアイツ、ニャルラトテップと一緒に・・…
夜が明け、小鳥の囀りと共に眩しい陽射しと身体を震わす寒気が部屋に流れ込む。 結局華扇は夜通しで、私の看病をしてくれた。「一日容態が良くなったからって、また悪化するかもしれない」と、ずっと私の事を看てくれていた。 ・・・先に彼女の方が睡魔に負…
ーー水が滴り落ちる音で、私は目を覚ました。 どれぐらい眠っていただろうか。覚えていない程眠っていたが、まだ私の体は重かった。起き上がろうとしても指一本動かせない。 諦めて私は上を見続ける事にした。木材で出来た古風な天井が視界一杯に広がる。 こ…
神霊は信仰の大きさに比例して力を増し、また神霊に非ずとも周囲に神として捉えられ信仰を集める事に成功すれば、その者は神としての力を手に入れることが出来る。 徳川家康や菅原道真がその例だ。徳川家康は死後東照大権現として祀られ、菅原道真は学問の神…
「うぐっ!?」 介渡の肩にアザトースのレーザーが貫通する。 「大丈夫介渡!?」 白夜は介渡を憂慮しつつ、そのカバーに入る。 介渡は白夜に肩を貸りつつも、欠損した肩の修復を始めた。 「すまないな、私が足を引っ張ってるようだ・・・」 「今はそんな事…
介渡達の体の何倍もあるであろうそれは、七人を巻き込み、水平方向に吹き飛ばした。 介渡達は、カルビンの壁に激突する。 「ぐっ!」 「あっ!」 如何に神といえど世界一硬い壁に音速で叩きつけられてはたまらない。七人はそれぞれ軽傷を負う。 「ったく、ホ…
大昔、北欧神話では『ラグナロク』という神々の壮絶なる戦いがあったとされ、オーディンやトール、フェンリルやロキといった名高い神や英雄が揃って命を散らした、まさに激闘が繰り広げられた。 そして今幻想郷では、神話と神話がぶつかり合うラグナロクを超…
今回は(そして今回以降)、再び堕華様のキャラが出演します。それにより突然名も知らないキャラが登場するという事になっています。 東方初聞求史:再編 カテゴリーの記事一覧 - 東方物語録 ~東方二次小説置場~ 東方初聞求史:再編 カテゴリーの記事一覧 …
霊力の込められた札がニャルラトテップの体に触れた途端、周囲を橙色の淡い光に包まれた。 それは温かく、優しさを含んでいた。 『くそがッ!くそがぁぁぁぁぁあッッッ!!!!』 苦悶の表情を浮かべるニャルラトテップ。 しかしそれは直ぐに、温かな表情へ…
大きく湾曲した二本の腕は二人の首を締め付け、自身の体へと引きつける。二人はそれに引っ張られ、後方へと下がった。 衝撃で、二人の首元に痛みが走った。 「ぐっ・・・何よ、これ・・・!」 「全然外れないん、だぜ・・・」 その腕は二人をこれでもかと締…
四千年で得た戦闘としての技術と、十数年で得た能力としての技術。 神の強力な肉体を活かした接近戦を武器とするレイルに、二人が真正面から戦って勝てる筈も無かった。 「どうする霊夢・・・?」 「決まってるじゃない。ヒューマが戦闘技術で戦うならこっち…
「・・・させないわ」 目の前に立ち塞がったのは、霊夢と魔理沙だった。二人は鬼のような目でレイルを睨むと重心を低くして身構えた。 だが、レイルは少しも動じなかった。 「・・・嬢ちゃん達には出来んよ」 「そんなのやってみなきゃわからないぜ」 「バカ…
「ぶはぁっ!!」 ヒューマは凄まじいスピードで吹っ飛びながら地面を転がる。一転、二転としてようやく静止したが、蓄積されたダメージは立ち上がるのを妨げる。 (くそ、動かないか・・・) その隙にレイルはヒューマに接近する。ヒューマもそれを予測して…
「・・・む?」 レイルはふと違和感を覚えた。 その違和感は何処から来たのか分からない。しかしレイルはその違和感の正体が気になって仕方なく、もう一度ヒューマの体だったカルビンの塊を見た。 そこには大小様々なカルビンの破片が散らばっていた。小さい…
「・・・」 「・・・」 二人は同時に、円を描くように歩いた。 ザッ、ザッ、と砂を踏み躙る音だけが響き、お互いの緊張をより強めている。 「るァッ!!」 先に仕掛けたのはレイルだった。腰を深く曲げ全体重を左足にかけ、そのまま踏み込んで思いっきり駆け…
「あっ・・・」 紫は嵐に飲み込まれた。 「妖怪の賢者も、情には抗えないか」 いざ嵐の渦中に入ってしまうと、そこからは地獄が待っていた。先程立っていた場所とは比べ物にならない程の風力は全身を切り刻み、そして生命力を吸い取る力の影響は格段に上がり…
「幻想郷を守るのが博麗の巫女の役目。ヒューマにばかり任せてられないわ!」 無数に浮かんだ弾幕は一箇所へと集まっていく。その中心点にはレイルがいた。 「ぐぁッ!」 宙に投げ出され無防備になったレイルに成す術は無く、襲い掛かる弾幕を体で受け止める…