2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「痛ってぇなぁ・・・」 視界の奥で、先生は項垂れていた。 「いやぁーでも笑いが分かるようになって嬉しいよ俺はwww」 「・・・何でこんな事したんですか」 「は?」 「何でこんな事したんだって聞いてんだよ!!」 先生はその言葉を聞いて、キョトンと…
「オイ・・・誰だアイツ?」 「さぁ・・・知らないな」 一気に会場がどよめきに包まれる。 そんな中、 「思い出したぞ!」 一人の男が声を出した。 「ソイツはあの最強ギルド、『レギオンズΣ』で隊長を務めていたコバルディノ・ヒューマノイドだ!!」 それ…
「それじゃ・・・行ってくる」 彼女にそう告げた。 彼女は俯いている。 「心配すんな。必ず勝つ」 少し顔を上げた。 「・・・頑張って・・・」 小さかったその声は、俺の心をもう一度、奮い立たせるのには十分だった。 俺は拳を強く握りしめ、決勝の舞台へと…
私の全力を込めた攻撃は、相手に命中していた。 普通なら倒れてしまうくらいの威力だった。 なのに。 「・・・」 相手は物一つ言わず、何事もなかったように平然と立っていた。 「なん・・・で・・・」 心臓の鼓動が早まる。 「確かに攻撃は当たった筈・・・…
「赤コーナー、アイミア・シャルミーノーーーっ!!」 私は今準決勝の舞台を戦おうとしている。 私はこの時のため猛特訓した。 絶対的な「最強」を倒すため。 「青コーナー、エルミリオ・オノクロムーーーっ!!」 その「最強」は今目の前にいる男によって倒…
あれからフェイとアイミアは順調に勝ち上がり、準決勝まで駒を進めた。 そして、 ガキーンッッ!! たった今、フェイは決勝トーナメントの準決勝を戦っている。 「いいねいいねぇ。準決勝ともなるとやっぱ格が違うよ」 フェイは余裕そうだ。対して、 「ほざ…
「お待たせ〜。待った〜?」 約15分の葛藤を終え、俺は戻って来た。 「待たせたのを自覚してるのかしてないのかはっきりしなさいよ」 アイミアが俺の期待通りのツッコミを入れてくれる。 非常に嬉しいことだ。 「てか15分って長くね?」 フェイがそう聞…
あれからどれぐらい経っただろうか。 恐らくそんな経っていない筈だ。 フェイは短期間で目まぐるしい上達を遂げていた。 誰も予想できない程に。 何せ俺でも予想できなかった。 そしてフェイは今・・・ 「ウオオオォォォォォォォオ!!」 「・・・」 武闘会…
剣と剣がぶつかり合う、甲高い音が鳴り響く。 ここは城の地下闘技場。 そして、たった今俺はこの国の次期王子、フェイの相手をしている。 「っおおおぉぉぉぉぉぉお!!」 激しい雄叫びと共にフェイが切りかかってくる。 「甘い甘い」 俺は体をひらりと曲げ…
バーン!バーン! 今日は五月蠅い程花火が上がる。 でもまぁしょうがないことなのだろう。 何せ今日は・・・ 「これより、フェイ王子の誕生会を始めます!」 司会者の開会宣言と共に、無数の歓声と拍手が巻き起こる。 性格はどうあれ、やっぱ王子なんだな、…