yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

東方修行僧 11

全く。今日は花火でもやっているかのようによく爆発音が鳴る。

爆発音といえば、アフリカに住む子供達は遊んでいた時に近くで爆発音がしても無反応せ遊び続けるそうだ。彼らにとってそれは日常茶飯事の事なので全く驚かないらしい。戦士としては立派だと思うが、一人の人間としては、本当に可哀想な話だ。

かたや霊夢ちゃんはというと、流石弾幕ごっこのプロと言うべきか微動だにしていない。こんな子をか弱いなんて誰が言えるだろうか。私は口が裂けても言えない。

無論こんな話も口が裂けても言えるはずない。

「今何か私を侮辱したでしょ?」

「はははー流石勘が鋭いねー・・・。はっ!?」

「侮辱したのね?」

この子には敵わないなぁ・・・。

ポンッ。

「?今の音はってヒューマ?」

どうやら私はアフリカの子供以上に爆発音になれているらしい。いや、まだ爆発はしていないが。

そんなこんなで私は霊夢の前に立ってロンズデーライトの盾を出した。

今の発砲音は間違いない。

ドカン!と盾の向こうで爆発が起きた。そう、今の発砲音はグレネードランチャーの物だ。

「ったくアンタ何なんだよコレを咄嗟に防ぐなんて。幻想郷でこれが分かる奴は居ないって聞いたんだがなぁ・・・」

私と霊夢ちゃんが飛んでいた少し上から少年が降りてきた。

「それは君と同じ外の人間だからだよ。私の名前はヒューマノイド。ところで・・・」

私はその少年の脇腹に抱えられた少女を見て言った。

魔理沙ちゃんを、返してくれないかな?

 

 

暫く、少年と睨み合った。

「俺の名前はグロウ・デュラボット。こいつを返して欲しければ奪ってみろ」

「手荒なのは苦手なんだよ。出来れば手短に済ませてほしいものだが」

「交渉権がどちらにあるか分かって言ってるのか?」

するとジェットのような物を背負った兵士が7名程降下してきた。

「君達のソレ面白いね」

「この少女の代わりでいいならやるが」

「残念だが私はそれが無くても空を飛べる」

チラッと後ろを見た。そこに映ったのは霊夢ちゃんの姿だ。

「後ろの女が心配なのかぁ?そりゃそうだ、ソイツはさっきまで捕えられてたんだから今戦わせることはできねだろーよ。でもそいつが回復したらやたらこっちにとって迷惑なんだよなー。だからよ、そいつと交換でってならこいつをやってもいいぜ。良い譲歩案だろ?」

すると、いきなり魔理沙ちゃんを投げてきた。

「っ!?危ない!」

慌てて魔理沙ちゃんを抱きかかえた。

「君!いきなり・・・!」

「ほら返したぜ。さっさと巫女を寄越せよ」

「っ!」

成る程。条件を突き出しておいて態と捕虜を返すことによって、相手の良心を利用する算段か。

若いながら、中々に大胆かつキレ者じゃないか。是非新しく建てるギルドに欲しいものだ。

「だが私をそこらのご都合主義な正義のヒーローにしないでいただきたい」

瞬間私の背後から煙が吹き出した。スモークグレネードのピンを抜いておいたのである。

「なっ!?てめえ!!」

しかし咳と煙に行動を制止され、相手は私を追うことは出来なかった。

私は全速力で地に降りた。幸い下は森で空からでは索敵できないだろう。

そして地面に降りた後、二人を抱え「逃げるんだよぉ!」と言わんばかりに逃げ続けた。

 

 

そろそろ敵も諦めた筈だ。本当に疲れた(本日2回目)。

「さっきの行動最悪ね。正義の味方とは思えない」

「私がいつ正義の味方になったんだい?大体戦場ではああいう非道さも必要なんだよ」

「あっそ。戦争の事なんて分からないわ」

「それで魔理沙ちゃん、何が起きたんだい?」

「あ、ああ・・・。面目ないが、人質を華扇の家に送る途中に襲撃されて、みすみす逃してしまったんだ」

「とすると別動隊がいたのか。見抜けないとは私としたことが」

「本当に申し訳ないぜ!」

「別に。正直彼女はさほど脅威ではない。能力の相性が良ければ簡単に倒せる相手だろう。それより今は早く拠点に戻りこちらの準備を整えねば」

「それは何処にするんだ?」

「んーそうだねー」

チラッと霊夢を見ると、溜め息混じりに「分かったわよ」と言った。