yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

World Travel episode 1 〜家庭教師編 part11〜

「それじゃ・・・行ってくる」

彼女にそう告げた。

彼女は俯いている。

「心配すんな。必ず勝つ」

少し顔を上げた。

「・・・頑張って・・・」

小さかったその声は、俺の心をもう一度、奮い立たせるのには十分だった。

俺は拳を強く握りしめ、決勝の舞台へと歩いた。

 

 

 

「赤コーナー、フェイ・ミューグラード!!」

エルミリオ・オノクロム。

今大会優勝候補一番手。

でも絶対負けない。

彼女のためにも、負けるわけにはいかない。

「青コーナー、エルミリオ・オノクロム!!」

マントを着たその男は、静かに入場してきた。

フードを深く被っており、表情が伺えない。

「それでは、決勝戦を始めます!」

そんなことどうだっていい。

「レディー・・・」

たとえ相手が何を思っていようと、

「ファイトッッ!!」

俺には負けられない理由がある!!

 

 

 

始まりの合図と同時に俺は前に飛び出した。

それを見たエルミリオは横に回避する。

・・・予想通り。

俺は剣をエルミリオに向かって投げた。

それをエルミリオは上に弾く。

「・・・ッ!!」

俺はその瞬間を見逃さなかった。

足を踏み込み、エルミリオの方へ飛び出す。

そして剣を弾いたことでガラ空きになったエルミリオの腹部に、

渾身の一撃を放った。

エルミリオが数メートル後ろへ吹っ飛ぶ。

(ここから更に畳み掛ける!!)

上から振る剣を掴みとり、

勢いのままエルミリオへ突っ込む。

あろうことかエルミリオは突き出された剣を踏み台にして俺の背後に回り込んだ。

(キタ!)

俺はそのまま回転して、勢いのまま剣を振る。

・・・あの時先生にやったように。

「とどめだぁぁぁぁぁぁあああっっ!!」

大声を出し、ビュウっと、

俺の剣は・・・

 

 

 

俺の剣は・・・エルミリオに・・・

 

 

 

「なっ・・・!?」

俺の剣は、空を切っていた。

いやそんなことはどうでもいい。

今の攻撃を避けるなんて・・・

「・・・グッ!!」

唖然としていた俺に、エルミリオの拳が襲いかかった。

「がはぁ!!」

吹き飛ばされた俺に、激痛が走る。

それにしても・・・

「いや〜危ない危ない。体が真っ二つになるとこだったよ」

あの声。

人をバカにしてるような喋り方。

そしてあの攻撃を避けられる人物を、俺は一人しか知らない。

「アンタ・・・まさか・・・っ!」

「あ〜あ、バレちゃったwま、正解だよ」

そう言いながら、アイツはマントを脱ぎ捨てた。

「そうだよ。俺はヒューマノイドだよ」