取り敢えず終わりました
まあ今回は前回ほどの長編ものではなく、さくっと終わらせるようなものだったので、
プロット通りに行かなかったものの、大して物語に矛盾は出来てないはずです。
そう信じたい(切実)
さて、今回の小説はレギオンズΣ帝国支部改め、コホルスΣ初めての任務を描いたもので、
レイルの部隊から引き入れた五人の活躍を重点的に描いてみました。
彼らは生まれた頃からレイルによって戦闘のいろはを教えられていたので、対人戦では無類の強さを誇ります。
序盤の手際の良さは、それらを現しています。
しかしまだまだ若い彼らは、ちょっとした事でミスを犯してしまいがちです。そのせいでアシッドとアランは拘束されてしまいます。
因みにグロウ、マクロ、アランの三人は18歳、アシッドは19歳、ヴァルドは25歳という設定です。
ヴァルドは純粋なパワーでは他の四人に劣りますが、戦場においての冷静さや機転、打たれ強さは読んで分かる通りヴァルドが一枚か二枚程長けています。
ヴァルド達が不意を衝かれなかったのは彼の状況を読み取る能力が高かったからなのかもしれません。
そして次からは別種族との戦いを描きました。
ゲシュビルにミジェラグル。フリートの体を借り受けて悪魔となったこの二人は、元々人間でその生涯もごく平凡なものだったので、後一歩でグロウ達に頭脳負けし、負けてしまいます。
しかしフリートは完全なる悪魔で、今までの人生で様々な戦いを経験した歴戦の戦士です。勿論ヴァルド達が敵う筈もなく簡単にあしらってしまいます。
余談ですが、私はあまり勧善懲悪というものを好みません。というのも、悪と正義の判断は誰にもつかないと思ってるからです。『正義の反対は正義』という言葉があるように、人はそれぞれの価値観から正義を見出し、時にその正義が既存の正義を崩す事もあり得るからです。
フリート達に相応の正義を持たせたのもそのためです。彼らもまた、自分の正義で既存の正義を、崩すまでは行かなくともほんの少し改変しようとしました。
ですが、正義は必ずしも実現出来るとは限りません。フリート達は、とくに何も考えていないマクロに完膚なきまでに叩きのめされます。力が無いものが正義を振りかざしても潰されてしまうのです。
と、ここで介渡が登場します。彼は神格を纏える程には力を持っていて、フリートの正義を実現する為に力を貸すことにします。が、実は彼自身は余り正義というのを固定していません。正義は時代によって変わるもの、と考えています。彼のいるレギオンズΣでは「(名目上では)真の正義の探求」というのを目的とし、争いを鎮めて来ました。彼もまた、流れる時代の中でその時代にとっての「真の正義」を見つけているのです。
後日談では介渡だ混沌を圧倒している・・・ように見えますが、一番最後の「介渡は徐に、傷だらけになった体の治癒を始めた。」という一文が、介渡は余裕そうな素振りをして、混沌を精神的に追い詰めていた感じを出しました。第三者視点で描きましたが、終盤まで混沌の心情を描き、最後の最後で介渡に焦点を当てたのは、混沌が介渡が本当に余裕を持っていると錯覚した様子を描きたかったためです。上手く出来ているでしょうか。
これまた余談なのですが、私の小説では介渡は変体紳士という点を除けば、殆ど完全無欠な人間として描かれています。「介渡を持ち上げすぎ」だったり、「介渡だけ特別扱いしてる」と思っている方もいるのではないでしょうか。
実は、お恥ずかしい話ながらその通りです。介渡は元々ヒューマノイドという名前で、私はうごメモ時代にhumanoidという名前で活動してました(正確にははてなブログ初期までですが)。つまり、介渡は元々私の作キャラで、それを離別してオリキャラ化したものなのです。
「八十島 介渡」という人物像は、私が理想とする人間をそのまま具現化させたものでもあります。彼は四千年の時を経て、聖人にも似た、というより、もはや聖人をも超えた思考を持っています。「人間という生物の完成形」というのが、作中の介渡の立ち位置です。最も、帝国の神々には劣りますし、レギオンズΣ初代団長スフォルや現団長ギーグに比べると、若干楽天的でもあります。というより、普通の人に比べて結構いい加減で馬鹿です。でも私は、それぐらい気の抜けた人の方がかえって人望を集めやすいんじゃないかと思ってます。
と、作品の要所要所の意味やキャラについて触れてみましたが、今一度見返してみると、やはり表現力の至らぬ所が多々ありますね。精進します。
この後は一話完結の間話を二つほど挟んだ後、支部への異動を終えた介渡が、レギオンズΣへ帰省する物語を書こうと思います。
今後ともご愛読の方をよろしくお願いします。