yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

レギオンズ支部の仕事初め その4

「介渡!今何処にいるんだ!?」
『だいぶ進んでしまったからなあ。恐らく混沌の部屋といったところか。まだ戦ってないけど』
もうそこまで行ったのかよ。俺達を置いて卑怯な奴だ。
『取り敢えず私も一旦戻ってみるよ。ったく、またあの敵兵の目を掻い潜らなければならないのか・・・』
一度行なった作業をもう一度辿る。成る程、それはめんどくさい作業だ。
・・・ん?また敵兵の目を掻い潜る?
「あんた、敵兵は全員戦闘不能にしていないのか?」
麻酔銃やCQCでの気絶をしていれば最低30分は落ちている筈。まさか、そんなに前に攻略していたのか!?
『いや、敵兵に一切危害を加えず潜入した』
もっと凄い答えが返ってきた。
「いや、どうやってやんだよ」
『簡単さ。壁を叩いて敵兵をおびき寄せたり、敵兵の循環ルートを観察して真後ろを悠々と通ったり・・・』
・・・。
『で、君は今何処にいるんだ?』
「俺達も混沌に近付いてはいるが、後もう一エリア攻略しなきゃならないってとこだな」
『じゃあ拘留所は近いな。次のフロアに行ってすぐ右の所に下へ続く階段がある筈だ。そのフロアの敵兵は片付けておくから、君はその階段を下りて二人の救出に。・・・まさか今何も考えないで突っ走って無いよな?』
「うっ・・・」
痛い所を突いてくる。
『それと、最初のエリアにいた増援が戻って来てるらしい。アシッド達はそいつらに背後を突かれ平伏したらしいぞ。君達も気を付けないと、死ぬぞ』
最後にそう言い残すと、介渡は無線を切った。
そうか、それであいつらは・・・。
それにしても、死ぬ、か。そうだな、俺達は兵士だ。常に死と隣り合わせなんだ。
なら、今死の間際にいる戦友を絶対に連れて帰らねば。
「ちょっと待て、俺らに事情を説明しろ」
声のした方向を見るとグロウが疲れた顔でこちらをまじまじと見ている。
・・・これは友を連れて帰る前に、情報の共有をしなければな。


「おらっ!何処に仲間がいやがんだ吐け!」
裸となった腹に容赦なく蹴りが入る。こんな鈍い蹴り躱す事ぐらい容易い事なのだが、それは叶わなかった。
僕ことアシッドは現在、自らの失態により手足を枷で固定されている。
「仲間の居場所を吐けば楽になれるんだ、このままだとてめえ殺すぞ!」
居場所と言われても僕達は別行動をしていたのだから、そんなもの知る由も無い。
だから、知らないと言う他ないのだが、
「だから僕達は別行動してたって何も・・・」
「しらばっくれてんじゃねえ!!」
と言われて、また蹴りを入れられるのが落ちである。
そろそろこのやりとりにも飽きてきた。
「いいか、答えればお前は解放してやる、楽になれるんだぜ・・・?」
甘く囁いて来ているのだろうが、こんなむさ苦しい男がやったのでは、気持ち悪くてならない。
「そうそう、逃げようったって無駄だぜ。その枷には能力の行使を抑制する効果がある。こっからは、逃げらんねーぜ?」
「そいつはこっちの台詞だな」
誰かが番兵の肩に手を置いた。その声と感触に反応し番兵は後ろを振り返る。
「なっ!お前何処から」
言い終わる前に番兵は鈍い音を鳴らして落ちた。
「やあアシッド。調子はどうだ?」
「悪くないねヴァルド。もう少し早く来てくれれば良い気分で終わったが」
一気に束縛感から解放された。