yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

東方修行僧 50

ん・・・。

 

ん、ここは・・・?

 

何もないな、真っ暗だ・・・。

 

私はどうしたんだっけか?

 

ああ、そうか。死んだんだっけな。

 

と、すると、ここは死後の世界?

 

何だ、以外につまらない場所じゃないか。もっとこう、天国とか地獄とかがあって・・・。

 

あ、幻想郷だから映姫ちゃんか幽々子ちゃん辺りの所に行くのか。

 

実際どっちだろう?

 

・・・いや、私は確実に地獄行きだろうな。昔は沢山人を殺した。

 

あの時は未熟だった。何をやっても必ず犠牲者が出て、その親族に恨まれた事もあった。仲間も大勢失ったな・・・。

 

あれから4000年、もう二度とそんな事にならないよう全力で努力してきたつもりだった。

 

だが、この程度か・・・。

 

昔、かぁ・・・。思い出すと沢山あったなぁ。色んな人にお世話になった。

 

リルアちゃんには本当にすまないことをしたなぁ。折角私の実力を見込んで自分の国の治安維持を任せたのに、結局この様だ。

キングアトラスちゃんは本当に面白い奴だった。彼女といると、退屈しないよ。もっと話しておけば良かった。

白夜ちゃん・・・。戦争の事しか頭にないような奴だけど、根は仲間思いのいい子だった。娘さんを大切にな・・・。

アジちゃんは紅竜玉神殿の中で一番頼りになった。私には君が殺戮を繰り返していたとは思えないよ。君結構タイプだったんだからね?

 

レギオンズの皆はどうしてるのだろう。きっと変わらず馬鹿騒ぎしているに違いない。あの頃は楽しかったな・・・。

全く依頼が来ないで、レギオンズの支出が火の車になった事もあった。その時は妙なグッズを製作したりスフォルがRMTリアルマネートレード)で大金持ってきたり、団長が謎の大金持ってきたり。実は4000年間の内に溜まった私の所持金が国家予算並だってのは、最期まで教えられなかったなぁ。その他にもライバルギルドと抗争したり、スフォルのクローン相手に戦ったり、あのギルドに出会えた事が私の長い人生の中で一番の喜びだった。

啖呵を切って旅に出ておきながら、旅先で死ぬなんて何て無様だろう。

彼らは私の死を悲しんでくれるだろうか。

 

過去私の失態で死なせてしまった人達・・・。許される事は無いなんて分かっている。だが、今そちらへ行こう。そしてせめてもの贖罪をしよう・・・。

 

思えばこの能力が全ての始まりだった。幼い頃テロリストに襲撃されて突然目覚めたんだったが・・・あの時も死にそうだったな。まだヒューマノイドにもなってなかったあの頃ももう4000年前か・・・。

 

それだけ長い間生きたのならもう・・・ここで死んでもいいのかもな・・・。

 

 ・・・。

 

華扇に必ず帰るって、約束してしまったな・・・。

 

修行の意味は何だったのだろうか。どんなに頑張っても、このザマだ。

人の死に直面しても前向きにいられるように喪事の処理もしたかな。また常に冷静でいられるよう、虚心を持つようにしてきた・・・。

 

ん?喪事?虚心?

 

そうか分かったぞ!華扇が私に教えた事は何も精神だけじゃない!新たな能力でもあったんだ。だが私の何処にそんな見込みが・・・。

 

そうすると、私の新しい能力は・・・。

 

『お・・・あ、って・・・よ・・・』

 

え?

 

『お前が・・・いと・・・勝てないんだよ』

 

この声は・・・魔理沙ちゃん?

 

『頼む・・・頼むよっ!』

 

馬鹿だなあ、死人に何を願っても何も出てこないさ。

 

『皆必死に戦ってるんだよ!なのにお前だけ先に死ぬになんて許さねえぞ!早く立って皆を・・・』

 

・・・っ、魔理沙ちゃん・・・。

 

『皆を、助けてくれよっっ!!!』

 

そうだ。死んでいい筈が無いんだ。まだ皆は戦っているんだ。

 

死んでいいなんて甘えてる場合じゃない。

 

今は・・・。いや、私はこんな簡単に死ぬわけには行かないんだッ!

 

動け、動け・・・!

 

 

ピクッ。

ヒューマノイドの手が僅かに動いたのを、魔理沙は視界の端で捉えた。