東方修行僧 31
ここはどっかの森ーー。
「WRYYYYYYYYYYYYY!!行くぞ行くぞぉぉぉぉおっ!!」
「少しは落ち着いたらどうなんだ・・・」
アジとリーザ、紅竜玉神殿に住まう二人の荒くれ者は今、ヒューマノイド奪還に向け張り切っている。
そのスピードたるや、天狗に勝るとも劣らない。
「ヒューマァァァァァァアアッッッ!!!今行くぞォォォオッ!!」
「静かに出来ないのか・・・」
そして二人の居る位置の少し上空・・・。
「マインド様、なにやら物騒な二人組がそちらに向かいました」
『恐らく紅竜玉神殿とやらの連中だろうな。ヒューマノイドは奥の手として隠蔽していたが、注意しておいて良かった。奴等には攻撃するな。我々が相手できるレベルではない』
「わかりました。引き続き追跡しま・・・」ガタッ。
『どうした?』
砂嵐のような音が無線機から延々と流れた。
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「故障か?確かに古い型だからな。、壊れてもおかしくはない」
『残念ながらそれは違うな』
砂嵐が突然止んだかと思うと、先程の兵士ではなく少女のような声が無線機から聞こえてきた。
「・・・成る程、流石は悪竜。勘が鋭い」
その声の持ち主はアジ=ダカーハだった。
『霊夢程ではないがな。ところでこいつの会話を聞く限りお前がヒューマを捕まえた張本人で間違いないな?』
「いかにも」
『幻想郷に喧嘩を売るのは我もしたことだ。深くは追求しない。だがお前は友人を傷付け過ぎた。それなりの報いは受けてもらうぞ』
「望むところ。恐らく我ではまともに太刀打ち出来ないが、それなりの抵抗はしようぞ」
『それならば・・・また後でな』
「うむ」
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「アジ?今のは誰だったんだ?」
「敵の幹部のようだ。奴の元にヒューマがいる。行くぞリーザ。奴と一戦交えねばならない」
(アジがいつになくやる気だ・・・。リルアもびっくりしてんだろうな)
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「・・・」
「誰だったんだい?」
「アジとリーザと言えば分かるか?」
「おや、あの二人か。全く待機しろっていったのに、だがまぁあの二人なら心強いかな」
「・・・、
ヒューマノイドよ。我ではあのような神相手にまともに戦えるか分からない」
「だろうね。それで?」
「汝にも手伝ってもらうぞ」
「っ!」
次の瞬間、マインドは両手でヒューマノイドの首を思いっきり締め付けた。
「が・・・ぐあ・・・」
「手を出さないとはいったが、増援が来たなら話は別だ。多少の痛手は負ってもらう」
「ふ・・・正しい、判断だ。私も、そうする・・・だろ、う」
「すまない。これも私の弱さ故」
「・・・」
暫く経つとヒューマノイドから力が抜け落ちた。
マインドは静かに、ヒューマノイドの頭を掴んだ。
「さて、残るは貴方だけよ」
レミリア、幽香、勇儀の足元には、倒れて動けなくなったナズーリンや寅丸星の姿があった。
そしてその中で唯一立っていたのは大魔法使い、聖白蓮だけだった。
「人間が吸血鬼に敵うかしら?」
「困りましたね、味方がこうもあっさりと・・・流石幻想郷最高クラスなだけある」
「さて、吸血鬼のお嬢様と最強の妖怪さんは下がってな。まずはあたしがやる」
勇儀が二人の前に出る。
「あんたの魔法、鬼に通用するか興味はないかい?」
「成る程。お手合わせ願います」
二人の拳が交差する。