東方修行僧 27
「・・・ってことだ。助力をしてくれないか?幽香」
「あら、そう。私が行くとすぐ終わりそうだけど?」
「ならすぐ終わらせてくれ。こっちにも思うところがあるんだ」
「ふ~ん・・・。まあ気を付けなさいね」
「こっちの台詞でもあるんだがね」
幽香は最後まで聞かずに神社の方へ向かっていった。
「さて・・・どうも嫌な予感がしてならない。何か利用されているというか、相手の思う壺という物にはまってしまっているのか・・・」
しかしヒューマノイドはそれ以上考察するのをやめた。
「今は一人でも早く相手の戦力を減らすことが先決だ。・・・だが一応、そうなった時に予想される事に対して打つ手は考えなければ」
そこから数十分後。
「ぐっ・・・ふっ・・・・・・」
戦況は一変、アシッドは劣勢に立たされた。
というのも、ヒューマノイドの計らいで既に幻想卿でも強者の部類に入る人物が多数駆けつけたからだ。
「貴方の酸がどれだけ強かろうと、止まっている時の中では意味を成さないわ」
「貴方の運命は決まっていたの。私と戦う前にね」
「友人が戦ってるのに私が指を咥えて見ていてどうするってんだい?」
星熊勇儀。
「アタイは最強だからね!」
チルn・・・おっとコイツは乱入しただけだった。
兎も角幻想卿最強クラスの人妖に流石のアシッドも抗う術は無し、ということだった。
「君達がそれ程までの実力とは・・・。これじゃ敵わないなぁ」
とうとうアシッドは倒れ、動かなくなった。
「しぶとい奴だったわ。私達相手にこれ程やるなんてね」
「ホント冷や汗掻いたぜ」
ふぅ、と魔理沙は座り込んだ。
すると突然、アシッドが右腕を高々と天に上げた。
「だがその予想外の強さも計算の内・・・計画通り」
それだけ言うと、本当にアシッドは動かなくなった。
「何だって?どういうことだ?」
「もう終わっていたの?私が来るまでもなかったわね」
「あら、来たのね幽香。遥々ご苦労様」
「この程度で疲れていては幻想卿最強なんてやっていけないわ」
「何だと!?最強はアタi
ここはディレクターズカット。
「それにしても、これだけの面子がこんな一箇所に固まっててもう一人の幹部は一体どうするのでしょうね?」
「幻想卿に強い奴なんてゴロゴロいるわよ」
「うー・・・」
「でもヒューマノイドを探した方がいいな。幽香が来ていてあいつが来ないのは少しおかしい」
少女捜索中・・・
その頃のヒューマノイドはというと。
「下衆な手段を、取るんだね・・・」
今まさに幹部と相対していた。
正確には、敵と複数の少女と相対していた。
「礼を言うぞ。汝が我輩の策に乗らなければこれ程の人数は集まらなかった。それと、アシッドにも礼を言わねば。奴の献身的な助力が無ければ大成し得ることはなかった」
その面子にはこれまで戦いに加わらなかった星蓮船や旧地獄、輝針城のメンバーが主だった。
「師匠・・・」
「それと汝、先刻は我輩を下衆といったな。心外だ、このような奇策を取るのは我輩が汝を敵としてリスペクトし、持てる力の全てを注ぎ込んでいるということだ。これを下衆と呼べるものか」
「君の考えなんかどうでもいいんだよ。こっちが下衆だと感じるからこっちからしてみれば下衆なんだ。そこに君の理屈や常識を唱えられても困る」
「アシッドは幻想卿の強者が集まった結果手も足も出ず敗北した。なら汝はどうかな?この地の者に勝てるかな?」
「・・・」
「やれ」
その号令と共に少女達は一斉に襲い掛かってきた。
(神子ちゃんや白蓮、正邪ちゃん達もいるとなると、私に勝ち目は・・・)
ヒューマノイドは両手を上にあげ、跪いた。
「降参だ。これじゃ勝ち目が無い」
その言葉を聞いてマインドは呆れた。
「熟練の戦士たるものが、その程度でもう諦めるのか」
「熟練の兵士は、無謀なことはしないのだよ」
「よかろう。我輩は降参したものに余計な危害は加えない。だが戦士たるもの、降参したら手は出すなよ?」
「心配だったら縛り付けておけばいい。どの道抵抗はしない」
「ふむ」
ヒューマノイドはロープに縛られた。
「無念だ、というべきか」
「これで汝らは指導者を無くした。いかに強者といえど同じ強者と戦うのであれば、戦術が上回っている方が勝利する」
「くっ・・・」
マインドはボスに無線をかけた。
「くそっ・・・(頼む霊夢ちゃん・・・ここが正念場だっ!)」