yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

東方修行僧 7

ーー妖怪の山、天狗の住処

「お、戦ってますね」

「いやいや、何を呑気にしてるんだ。私らも参加しないとマズいだろ」

着いた頃には激戦が繰り広げられていた。

「乗っ取られる前で良かった。さて敵の大将さんは・・・」

辺りを見回す。と、魔理沙が先に気付いた様子で「アレに違いないぜ!」と指を指す。

その方向を向くと椛ちゃんと文ちゃん、二人を相手にしていた人間がいた。あれは女だろうか?派手な装飾をジャラジャラ服に付け、化粧も濃い。服は露出が激しく、はしたない格好をしている。

それにしてもあの二人を同時に相手にするなんて、これ結構やばいな。

魔理沙は他の人達を片付けてくれ。私はあの二人を援護してくる」

「分かったぜ!」と魔理沙は箒に乗って他の人達を蹴散らしに行った。

それにしてももの凄い数である。これもほんの一部隊に過ぎないと思うと、とんでもない数の人間が幻想入りしてきたものだ。・・・自然にやってきたとは思えない。

どういう理由かは分からないが、それでも幻想卿を乗っ取ろうとしているのは十分に理解できた。

 

 

「全くどいつもこいつも骨がないねぇ・・・」

「くっ・・・」

「いいわよ。二人とも終わらせてあ・げ・る♪」

その女はそう言うと、手に力を込めた。すると、何やら金属みたいな物が集まってくる。

「メタリック・ツァーリ!!」

それを二人に向けて発射する。とんでもないスピードだ。

「っ!」

文ちゃんが咄嗟に椛ちゃんを庇った。

そして、形容し難い嫌な音が爆音で鳴り響く。

「ふふふ。部下を庇うとはカッコいい上司さんね」

「失礼。いきなり金属の塊が飛んできたのですが貴女のものですか?」

「!?」

砂埃の中から、男の声がする。危ない。ギリギリ間に合った。

私は服に付いた砂を払いながら、やれやれと金属の塊を地面に置いた。

「あらぁ?誰なの貴方?」

「質問を質問で返さないで下さい。この金属は貴女の物なのかと訊いているんです」

「ちっ。生意気な餓鬼・・・そうよ私のよ。何か文句ある?」

「そうですか。ならお返しします」

私は金属を蹴っ飛ばした。そこそこのスピードで飛んだそれは彼女の体に容赦なく襲い掛かる。

しかしそれは当たった瞬間彼女の体に吸い込まれるように消えた。

「ざぁ~んねぇ~ん!私はね、「ありとあらゆる金属を扱う」能力を持ってるの。私にとって全ての金属は私の体の一部に過ぎないんだから!」

「そうなんですか」とあくまで平静を保つ。「何よその薄い反応」と返された。

「あの二人を相手にするとは中々のお手前で。御見それいたしました」

「あらあら急に手の平を変えちゃって。でももう遅いわ。貴方は私に喧嘩を売ったのだから!」

「下がって!」といって文ちゃんと椛ちゃんを一線から退かせた。

女は一直線に私に向かって突っ込み、金属で硬化させた拳で殴りかかってきた。

それにしても金属、か。私の能力とかなり相性がいいじゃないか。

受け止める素振りも見せず、拳を腹で受け止めた。金属の拳が砕け散ったのは言うまでもない。

 

 

「さて、どうしたものか」

魔理沙ちゃんは腕を組んだ。

敵は全員縄に縛られていた。無論、この女も言うまでもない。

「くそっ・・・!アンタも硬化系の能力だったのね・・・」

「貴女の能力が金属で良かったです。確かにそれならこの二人は圧倒出来ようと、世界一硬い物質を扱う私には敵いませんからね」

勝ち誇ったように鼻で息を吐いた。女は面白く無さそうな顔をした。

「さて、申し遅れましたが私の名前はヒューマノイド。今はこの幻想卿にお世話になってる身です」

「あらそう。私はアラン・レッカー」

「ではレッカーさん。質問ですが、貴女達の目的は?」

「・・・答えると思う?」

「思いません」

「ならもう用は無いわね」

そういうと、レッカーは急に上目遣いになった。

「なら、この縄を解いてくれないかな?お兄さん?」

成る程、色仕掛けか。だが私には華扇に散々修行された。こんなもので萌えはしない。

「おっと、こいつを誘惑したも無駄だぜ。私がお前を逃がさない」

魔理沙ちゃんが前へ出た。私を信用していないのか!?

「・・・まぁ、とりあえず拘束しておこう。魔理沙ちゃん達にとっては厄介な相手だろうしね」

「分かった。だがヒューマノイド。何でお前泣きそうなんだ?」

ほっとけ。