yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

東方六方晶 ~第10話:ザ・ワールドッ!!時よ止まれッ!!~

ヒューマノイドは地面に落下し、動かなくなった。

「・・・少しやり過ぎたかしら?」

「はぁっ・・・はぁっ・・・少し、疲れました」

「そうね。お疲れ様。お茶を入れるからついて来て頂戴」

「うっへ~また何か変なもの入れないですよね?」

「うふふ。さあどうかしらね?」

「心配です・・・」

二人は屋敷の扉に向けて歩き出した。

「まあ頑張ってくれたことだしとっておきのブレンドをチョイスしてあげるわ♪」

「頼り甲斐があるのか心配なのか、半信半疑ですよ・・・」

「あら、じゃあ入れてあーげないっ」

「はわわわ!嘘ですスイマセン~(焦)」

「冗談冗談!」

咲夜はフフッと笑った。

それを美鈴は呆れた目で見た。

そんな談笑が続き、二人はドアを開けた。

 

 

しかし、途中で手が止まった。

 

 

ドアを開く音で聞き取りづらかったが、確かに背後で物音が聞こえた。

 

 

二人は恐る恐る後ろを確認した。

 

 

 

 

 

「流石に甘く見過ぎてるんじゃないか?お・ふ・た・り・さん♪」

 

 

 

 

 

「「っ!?」」

そこにはナイフが刺さったままのヒューマノイドが立っていた。

「っ!!それ程の傷で・・・貴方本当に人間なの?」

「だから『ヒューマノイド』なんだよ。姿形何もかも人間なのに、人間とは思えない戦闘力、いつまでも倒れない耐久力、瞬時に全てに対応する判断力。周りの人達はそれを恐れ、又は讃えて『ヒューマノイド』と呼ぶようになったのさ。君達のようにね」

ヒューマノイドは誇らしげに語った。

「・・・しかしその傷だと長く持たないんじゃないですか?」

「まぁね。流石にこのまんまじゃ出血多量で死んじゃうだろうね。だから今から治すのさ」

「それ程の回復力まで持ち合わせてるの?」

「う~ん、当たらずとも遠からずって感じかな。まぁ見てなって」

そう言うとヒューマノイドは体からナイフを抜いていった。

するとどうだろう。ナイフを抜いた箇所が黄褐色透明の物体によって徐々に塞がれていく。

「まさか貴方、今朝の新聞に載っていた異変の首謀者・・・!?」

「That's right!その通りだよ!!」

「ならさっさと始末して霊夢に引き渡さないと・・・」

咲夜がそう言った次の瞬間、咲夜ヒューマノイドの目の前にいた。

と思ったら消え、先程と同じようにヒューマノイドの周りにはナイフが出現する。

しかしヒューマノイドは余裕そうな表情を見せ、

「君のその『能力』はもう分析済みだよ。」

と、全身を硬化させナイフを一つ残らず跳ね返した。

「君の能力は『時を操る』って感じだよね?そして君は『気を操る』でOK?」

「くっ・・・」

「しっかし時を操れるんだったら空間も操れそうだね。そうだろ?」

「・・・そこまで分かってるのね・・・」

「やっぱりかぁ~。アインシュタインがそんな事言ってたなぁ~って気がして」

アインシュタイン?」

「あぁ~気にしないで」

「貴方が私達の能力が分かったところで、状況は何も変わってないわ」

「そうですよ。貴方の能力だって新聞で分かってるんですからね」

「そうかな?実際ピンと来てなかったりしない?君達がこの能力をそう簡単に理解出来るわけないじゃないか」

「やってみないと分かりませんよ?」

美鈴はヒューマノイドとの距離を詰め、顔面に気を乗せた拳をお見舞いした。

しかし、ヒューマノイド体制を崩すどころか一歩も動かなかった。

「くっ・・・あっ・・・!」

それどころか美鈴の手の甲の骨が砕けてしまった。

「ほら、全然分かってないじゃん。硬いっつったって世界一硬い物質だからね。君の骨を粉砕するぐらい容易いことだ・・・」

突如グサッという音がした。

ヒューマノイドが腹部を確認するとナイフが貫通していた。

「硬化させてなければ関係ないでしょ?」

「そんな安易な考えをするということは切羽詰まってるってことだよね?」

ヒューマノイドがそう言い放った瞬間、咲夜の足元にロンズデーライトが発生した。

「なっ・・・」

そのまま生き物のように動きながら咲夜を完全に拘束した。

「さっきの傷を治すやつの種明かしだけど、体を硬化させている状態から元の状態に治す動作を応用して傷口を治すってこともできるんだ」

「ぐっ・・・体を・・・作り直すってこと・・・?」

「そういうことだよ。更にそれを応用すれば体が老いても若い頃に作り直すことも出来る」

「そ・・・それって・・・誰かに殺されない限り・・・不死身・・・ってこと・・・!?

「そういうことになるね」

「ぐっ・・・」

咲夜は気絶した。

「成程・・・通りで動きが研ぎ澄まされていた訳ですね・・・」

「・・・俺は今まで4428年生きてきた。そして能力が発現してからずっと、戦いの地だけに身を置いてきた・・・全てとはいかなくても、出来るだけ多くの命を救いたかったから・・・」

ヒューマノイドはロンズデーライトを消し去り、咲夜を開放した。

「それでも俺には救えなかった命があった・・・約4000年も己を極めてたっていうのにね・・・」

「・・・」

「そして自分の価値を見いだせなくなった。・・・そんなところを紫に拾われ、博麗の巫女に助言をしてもらうついでに異変を起こしてるわけなんだよ。更にそのついでに君たちのような強者と戦ってるんだけど」

「・・・ワケありだったんですね・・・」

「ごめんね。手の骨を砕いてしまって。簡単な治療なら行えるけど・・・」

「いえ。私も妖怪です。こんな傷、すぐ治りますよ」

「そうかい。俺は今からあの魔法使いと吸血鬼姉妹に会ってくる。・・・そんな驚くなって。軽傷程度で済ますから」

そういうとヒューマノイドは包帯とガーゼを美鈴に手渡し、紅魔館に入っていった

 

 

 

 

 

長くなってスイマセン。

ヒューマノイドの過去を話す重要な回だったので・・・

次回、紅魔館でれっつぱーりーその2