東方六方晶 ~第2話:空から落ちてくる系ヒロインだと思った?残念、男の子でした!~
「あやややや、これは一体どうしたのでしょう!」
彼女は射命丸文。
この幻想郷で新聞記者をやっている、「伝統の幻想ブン屋」である。
そして彼女は今人生に1度も体験出来ないような事を体験してしまったのである。
『空から少年が降ってきた』
普通の人なら慌てふためき、何をすべきか迷うだろう。しかし、
「これは良い記事になりそうです!!『怪奇!!空から突如少年が降ってきた!!』なんて題名で発行すれば・・・」
新聞記者である文はただただ、どう記事にしようかだけを考えていた。
「よーし!そうとなったら早速取材です!・・・すいませーん、起きて下さーい」
文が体を何度も揺らすが、ヒューマノイドが起きる様子は無い。
「もーしょうがないですねー」
文はヒューマノイドから離れた。
「スペルカード!『無双風神』!」
文から弾幕が放たれた。
そしてそれはヒューマノイドに襲い掛かる。
しばらく轟音が鳴り響いた。
「いや~やりすぎちゃいましたかね~」
辺りは砂埃で何も見えなくなっていた。
「まあこれぐらいやったら流石に起きてますよねー」
「ゲホッ!ゲホッ!」
「ああ起きた起きた。では早速取材を・・・」
「アホなのかお前・・・あんなんまともに喰らったら普通逆に寝るだろ・・・」
ヒューマノイドは四つん這いになって咳き込んでいた。
「おお!「まともに」ということは幾つかは避けたということですね、素晴らしい!」
「「素晴らしい」じゃないよ・・・残機が一瞬で無くなっちまうだろ・・・(そんなの無いけど)」
「まあまあ生きてるんだしいいじゃないですか!」
「・・・shit」
「ではでは早速取材といきましょう!」
「ちょっと待て、まずこの砂埃をどうにかしないか?視界が悪すぎて顔が見えないんだが」
「そうでしたね、では」
文は手に持っていた葉団扇を一振りした。
するとどこからか風が吹き、砂埃は一気に吹き飛ばされた。
「私の名前は射命丸文です。貴方は?」
「・・・」
ヒューマノイドは口を開けたまま答えようとしない。
「すいませーん、聞いてますかー」
その直後、「ブシャァッ」っという音が鳴った。
そしてヒューマノイドは後ろに倒れた。
・・・鼻血を出しながら。
「あやややや!?どうしたんですか!?」
ヒューマノイドは白目を向いたまま動かない。
と思ったら右手で何かもの凄いスピードで何かを書き始め、力尽きた。
「何でしょうか・・・えっと・・・『僕の名前はヒューマノイドです。早速ですが付き合って下さい』ですか。
・・・ヒューマノイドさんは変態、と。メモメモ」