World Travel episode 2 〜クトゥルフ神話編 part 2〜
その3人は(雑魚キャラのくせに)異様に口が固く、中々正体を明かさなかった。
「君達って結構強情だね。そろそろ話してもいいのに」
「・・・」
「何にもしないって。だから話してくれよぉ〜」
「・・・」
「あ〜あもうほんとに何もしないでいいや。かーえろ」
「っ!?ちょ、いいんですか!?」
「君の身が危ないって?いやでもこの人達強くなさそうだし大丈夫っしょ。この山でほっといても暫くは大丈夫そうな顔してるし」
「そんな適当な・・・」
そんな会話を聞いても3人の男はまだ話す様子は見られない。
「・・・っあぁ面倒くさい」
そういって俺は3人とも縄をほどいた。
「っ!?何を!?」
「いや君達使えそうにないし帰っていいよ。自力で何とかするから」
「・・・クソッ!なめやがって!」
「なめられたからどうするの?」
「いいぜ。後で後悔させてやる。貴様らも奴の恐怖には耐えられまい」
そういうと、3人はサッサと逃げていった。
「あの・・・良かったんですか?」
「まぁ何だかんだ使える連中だったし良いよ」
「?さっき使えないって・・・」
「縄をほどいてやる代わりに名刺をパクった。間違いない、ばっちり社名が入ってる」
「そうなんですか!?あ、でも、偽物って可能性は・・・」
「そんときはそんときだ。今は君を家に帰すのが先だ。えっと・・・名前は?」
「あ、優綺(ユキ)です。綾村優綺。貴方は?」
「僕かい?僕は・・・ヒューマノイドとでも呼んでくれ」
「ヒューマノイド・・・『人間に似た物』ですか?変わった名前ですね」
「フフッ・・・まぁね。長ければヒューマって呼んで」
「はい!よろしくお願いしますヒューマさん!」
なんて可愛い笑顔なんだろうか。
普通の男子ならイチコロだ。これがキラースマイルという物なのか。
そんなくだらない事を考えながら俺と優綺は山道を下っていった。
・・・恐らく彼女は予想していなかっただろう。
この後起こる宇宙的恐怖の事を・・・。