yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

World Travel episode 1 〜家庭教師編 part final〜

大会から数日後。

「本当にいいんだな?」

「大丈夫だってアント。こいつらはもう俺がいなくても十分だ。これが王位継承の儀式としても二人の関係としても重要な試験になる。むしろ俺は介入してはいけない」

二人はこれから試験に挑む。

一応試験は誰が補助しても構わないそうだ。

でも俺はいかない。そう決めた。

「俺よりもこいつらの覚悟を問いただしたほうがいい。大丈夫だよな?フェイ、アイミア」

「うん。俺は問題ない。アイミアは?」

フェイに訊かれるとアイミアはビクッと肩を揺らした。

「わ・・・も・・・・・・・ぶ」

「えっと、『私も大丈夫』だって」

緊張で声が蚊よりも小さいぐらいのアイミアに代わり、フェイが言った。

・・・大丈夫なのか正直心配だ。

「あー・・・多分アイミアは判断力がゴミ状態になってるだろうな。フェイ、頼むぞ」

アイミアが何か言っていたが、何も聞こえない。

「さて、茶番もこの辺にしとくか」

「もういくのか?」

「あぁ」

「もうちょっといてもいいんだがな」

「いや、いいわ。長居は無用だし」

そういった俺は、フェイに歩み寄った。

「何?先生」

そういったフェイに俺はただ手を差し伸べた。

一瞬「?」という表情をフェイはしたが、すぐに意図を読み取り差し伸べられた手に自分の手を添え、ガッチリと握手を交わした。

「いい報告を、待ってるぜ」

「先生もたまに便りをよこしてくださいよ」

そんな他愛も無い会話をした後、アイミアの所へ行った。

アイミアはしばらくこちらに気付かず、「アイミア」と声をかけてやっと気付いた。

「はぁ・・・お前は少し素直に意見を言えるようにしろ」

「う・・・うるさいわよ・・・」

この距離でもギリギリ聞き取れるぐらいの声でアイミアは呟いた。

「じゃあ・・・行くとするか」

荷物を抱え、俺はフェイ達に背を向けた。

「また気が向いたら来い。いつでも歓迎するぜ」

「今までありがとうございました」

「・・・」

「お前らも試験、頑張れよ」

そういって、俺はこの世界を後にした。

3人は何も言わず、ただじっと俺の背中を見つめていた。

 

 

 

 

 

数日後、一通の手紙が届いた。

フェイからだ。

「先生、お元気ですか?

俺とアイミアは試験をなんとかクリアしました。

今は政治についてなどを父上に教えてもらってます。

精一杯頑張りますので心の中で応援してて下さい。

                  from.フェイ

 

今度会ったらリベンジさせなさいよ!!

                  from.アイミア

「アイツらも頑張ってんだなぁ・・・」

そう呟いた俺は、また新たな旅に出た。

 

 

 

                       ーー家庭教師編 ENDーー