World Travel episode 1 〜家庭教師編 part15〜
今観客たちは何を思っているだろうか。
恐怖なのか。
驚愕なのか。
俺?俺は・・・
・・・最高にいい気分だ。
「このチカラ・・・君はどうやら、『衝撃を操る能力』って感じかな」
フェイに返事はない。
ただ持てる力の全てを俺にぶつけることに集中している。
「しかし・・・厄介な能力だ。これじゃいくら世界一固い物質のロンズデーライトだとしても、その硬度以上の衝撃をぶつけられたら意味がない」
フィールドを縦横無尽に駆け回る俺に対し、フェイはただその場で腕を軽く振っているだけである。
腕を振った時の衝撃波を何百倍にも増幅させているのだ。
完全に不利な状況となった。
・・・能力の相性だけ見れば。
「・・・そろそろいいか」
ガッキーン!!
体を能力で硬化させ衝撃波を打ち払った。
「ッ!!」
衝撃波を壊される事はないと思っていたフェイは、驚きの表情を浮かべいている。
「流石にこの状況下じゃ全力はだせねぇよな。本気の衝撃波を繰り出したらかわされた時に間違いなく観客に被害が及ぶ。さっきから観察していたが君が俺に向けて撃った衝撃波は全部観客席の手前で消滅している」
俺は迷わずフェイに向かって直進した。
フェイは尚も次々と衝撃波を飛ばしてくる。
しかし威力が足りない。
発射された衝撃波は俺の体に触れた途端消滅してしまう。
フェイと俺の距離がゼロになった。
その時フェイが「ニィッ」と、
笑みを浮かべた。
次の瞬間・・・