World Travel episode 1 〜家庭教師編 part13〜
「痛ってぇなぁ・・・」
視界の奥で、先生は項垂れていた。
「いやぁーでも笑いが分かるようになって嬉しいよ俺はwww」
「・・・何でこんな事したんですか」
「は?」
「何でこんな事したんだって聞いてんだよ!!」
先生はその言葉を聞いて、キョトンとしていた。
「『暇だから』なんて理由でお前は彼女を傷付けたのか!?ふざけんな!!アイツはもう少しで死にそうだったぞ!?」
そう言うと先生は口元に軽い笑みを浮かべた。
「俺だって加減ぐらいできるさ」
「それでも・・・それでもっ!!」
「五月蝿いなぁそんなに悔しいんだったら、」
そう言うと先生は目を閉じ、顔を伏せた。
暫くして、顔を上げた。
その顔は先ほどとは正反対の、気が狂ったかのような不気味な笑顔を浮かべていた。
「俺を倒してみろよヘッポコ王子」
「ッ!!」
言われるがままに俺は先生目掛けて突っ込んだ。
しかしそこにはもう先生の姿は無かった。
「後ろだよん♪」
「ッ!?」
慌てて後ろを振り返った。
しかしそこにも先生の姿は無かった。
「残念♪」
気付いた時にはもう遅かった。
「うぐっ!!」
重い衝撃が背中にのしかかる。
「まだまだぁ」
間髪入れずに2、3発同じ様な衝撃が来る。
「クソッ!!」
咄嗟に横に飛ぶ。
しかし、先生はそれに合わせて攻撃の軌道を変えた。
ドォン!!と
鉄骨が落ちてきたかのような重い音が響き渡る。
「ぐっ・・・ゲッホゲッホ!!」
「ちょっとちょっとぉ。まだ5割ぐらいしか力出してないけど?」
「クッ・・・!!」
「ま、今まで3割ぐらいだからよくやってる方だけどw」
「ってことは・・・アイミアのも本気じゃなかったのか・・・?」
「まぁね。別に大したことなさそうだったもん。」
「ッ!!ふざけんな!!」
それを聞いた瞬間、一気に憤りを覚える。
「アイツだって今まで一生懸命努力してきたんだ!!その思いを簡単に踏みにじってんじゃねぇよ!!」
「じゃあ努力が足りてねぇんじゃねぇのぉ?」
その時自分の中で何かがプツンと切れた音がした。
「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
その瞬間、今までの疲労やダメージが一気に吹き飛んだ。