yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

World Travel episode 1 〜家庭教師編 part9〜

「赤コーナー、アイミア・シャルミーノーーーっ!!」

私は今準決勝の舞台を戦おうとしている。

私はこの時のため猛特訓した。

絶対的な「最強」を倒すため。

「青コーナー、エルミリオ・オノクロムーーーっ!!」

その「最強」は今目の前にいる男によって倒されてしまった。

目標は消えた。

だが、

(「最強」を倒したコイツに勝てば、ジョードより強いことになるっっ!!だから私は絶対に負けない!!)

最強になるため、誰かを守れる力を得るため。そして・・・

 

 

 

・・・あのバカ王子との約束を果たすため。

「レディー・・・」

(恐らく相手は試合が始まった直後に攻撃を仕掛けてくる!!そこを突けば・・・っ!!)

「ファイトッッ!!」

審判が試合開始の合図を出す。

すかさず横に飛ぶ。

案の定相手はさっきまで私がいたとこに突っ込んできた。

人間とは思えないスピードだ。

だが、

(チャンスッ!)

相手は今完全に無防備だ。

「貰ったっっ!!!」

ただの的と化した相手に、ありったけの力を込めて拳を振った。

 

 

 

・・・しかし、

相手はこちらを見ないまま左手を顔の横に翳して、私の拳を弾いた。

「・・・ッ!」

その反動で、私はバランスを崩す。

相手の次の動きを見ようと、相手に視線を向ける。

するとそこには、

すでに私に殴りかかろうとしている相手がいた。

 

 

 

 

私の体が数10メートル後方に吹っ飛ぶ。

「うぐ・・・っ!」

受け身も取れず地面に激突する。

「ぐ・・・がはぁっ!?」

左手に激痛が走る。

私は殴られる直前に左手を前にかざしたので、致命傷は防いだ。

しかし相手のパンチはかなり重く、そのまま威力に押され吹き飛ばされた。

あんなのを同じ箇所に2度喰らわされたら、骨が粉々に砕け散るだろう。

「・・・」

相手は何も言わず立ち竦んでいる。

そこには歴戦を戦い抜いた貫禄のような物を感じた。

そのオーラは私とは比べ物にならないものがあった。

(だからどうした!私はこの世界の人々を守るため、強くならなきゃいけないんだっ!!)

「っああああぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!」

私は怒号のような咆哮をあげた。

と同時に、全速力で相手に詰め寄った。

相手はタイミングを合わせ、殴りかかってくる。

私はそれを読んでいた。

私は相手の拳を真正面からではなく、上から捌こうとした。

「受け止める」ではなく、「受け流す」ために。

作戦は的中。相手の拳は下に反れた。

その拳をジャンプで回避しそのまま後ろへ、入れ替わるように立つ。

相手は攻撃を受け流されたためにバランスを崩している。

そこへ回し蹴りを送り込む。

命中。

相手はバランスを崩し2、3歩うしろへ下がる。

「オラァッ!!」

私は間髪入れず殴りかかる。

これも命中。

さらに相手がバランスを崩し、そこに打撃を送り込む。

完全に流れを掴んだ。

「・・・っ!!」

相手はヘトヘトだ。

かわいそうだし、そろそろとどめをさすか。

「ッオラアアァァァァァァァァァアッッ!!」

最強を倒すべく、私は渾身の力を込め、相手に拳を食らわす。

「これで・・・トドメだぁっっ!!」

パァーンッ!!

甲高い音が会場に鳴り響く。