yahhoi's novel.

私ことやっほいの小説置場です。オリジナル小説に加えレギオンズの皆様との小説、堕華さんとの提携小説や東方二次創作等を書いていきます。

World Travel episode 4 〜家庭教師編 part4〜

バーン!バーン!

今日は五月蠅い程花火が上がる。

でもまぁしょうがないことなのだろう。

何せ今日は・・・

「これより、フェイ王子の誕生会を始めます!」

 

 

司会者の開会宣言と共に、無数の歓声と拍手が巻き起こる。

性格はどうあれ、やっぱ王子なんだな、と思った。

 

 

今日は俺の生徒であるフェイ王子の誕生日。

様々な国から王様や大臣、貴族が招待され、また、心優しい王様アントの計らいで一般庶民の人も来ている。

そして会場には勿論・・・

「・・・///」

「・・・なぁに顔赤くしてんだフェイ」

「う・・・うるさいっっ!!お前には関係無いだろう!!!」

「・・・っはぁ・・・」

フェイの気持ちが高揚してる理由。

恐らく言うまでもないが、たった今この会場には・・・

「ちょっとアンタ。ジロジロ見ないでくれる?」

この人こそが、この間アントと話していたパーフェクトお姫様ことアイミアだ。彼女も招待されたいた。

「え?いや、そんなこと・・・(焦)」

あ〜あ。ばれっちゃったねバカ王子(笑)

「あんたじゃなくてコイツよ。このパーティーの真っ最中なのにヘッドホン+私服という非常識野郎」

あ、俺っすかwww

「はいはーいこの子の家庭教師をやっておりますヒューマノイドと申します」

「何そのテキトーな返事。それが初対面の人に対する態度なの?全くここの王様も人を見分けられなくなってしまったようね」

それは君も大概だろと思ったが、残念ながら私ことヒューマノイドはこの程度では怒らない広い心の持ち主なので、華麗にスルーすることにする。

「いつもフェイがお世話になっています〜。いやー頑張ってますよーこの子。・・・ってあれ」

いつの間にかフェイがいない。

もしやアイツ、逃げたか。

「フン。アイツも白状なものよね。好きという気持ちを誤魔化してるらしいけど、全然誤魔化せてないわよね。あんな行動私に『好きです』って言ってるようなもんじゃん」

やっぱりアイミアは自分がフェイに好かれてることに気付いてるらしい。

そしてこの態度。やはりフェイはアイミアに見向きもされていない。

「まぁそういうのを直すのが家庭教師の仕事だ。君もあんまり軽く見すぎていると、ハートをぶち抜かれちゃうかもよ?」

「フフッ。まぁせいぜい頑張ることね」

「そうさせてもらうよ」

「ではこの辺で」

「おう」

 

 

パーティーも終わり、参加した人々が皆帰った頃。

俺はパーティーが終わった直後に消えた王子を探していた。

「ったく・・・どこ行きやがった?」

城中探し回して、10分程した頃。

「お、いたいた」

フェイは屋上にいた。

声に気付いた瞬間、フェイは肩をビクッとさせた。

余程物思いにふけっていたのだろう。理由は聞かないでも分かる。

「アイミアのことか・・・」

フェイはコクッと頷いた。

ここまで素直なフェイは、付き合いが長いわけじゃないが見たこと無い。本当に好きと思っているんだな。

「俺・・・どうしたらいいんだろう」

フェイが不意にそんなことを言うので心底びっくりしてしまった。

「好きだってのは分かってんだけど、仲良くなりたいってのは分かってんだけど、いざ対面するとすぐ逃げ出しちゃうんだ。・・・そんな不甲斐ない自分が嫌なんだ。分かってる。分かってるんだけど・・・っ!!」

一瞬怒りに満ちた顔をした。どれだけ自分が嫌なのか分かる。

「・・・ったく。負けたよ」

「・・・は?」

「負けたっつってんの。俺は今まで恋愛感情を抱いたことはねぇ。つまり、誰か一人を愛する気持ちの強さで、俺は君に負けたんだよ」

「っ!」

「自分に自信持てよ。強い気持ちを持ってなきゃ、叶うもんも叶わないぞ?」

「そう・・・か。そうだよな。」

「分かったらまた明日から頑張ろうぜ!!」

「・・・うん!!」