World travel episode 2 ~クトゥルフ神話編~
それからどれぐらいの時間が経ったろうか。 途中で発狂でもしてしまったのか、あまり思い出せない。 ただ一つ言えることは・・・ 「優綺ちゃん・・・岳大君・・・」 俺は何も守れなかった、ということだ。 「水谷君・・・麗香ちゃん・・・」 どんどん胸の内…
その瞬間、空に大穴が開き、上空の大気が不安定になった。 ぶ厚い雲で空が覆われ、それによって日光が遮られ、辺りが暗くなっていった。 森の動物や鳥、虫達は何かを感じ取ったのか、騒がしくなっていった。 「元村・・・お前今、なんつった?」 「何って、…
「っ!?何だ!?」 元村が声をあげた。 すかさず後ろを振り向くと、さっき山を降りていった筈の水谷達3人が茂みから出てきた。 「っ!お前ら・・・」 「ごめんヒューマ。やっぱり俺、優綺とが心配なんだ。那菜ちゃんも」 「こいつが引き止めたくせにな。途…
「君は?・・・ってまぁ、決まってるか」 「恐らくお前が思ってるのと同じだ。私は元村繁秀。この計画の首謀者であり那奈の実の父親だ」 「やっぱりね・・・で、優綺ちゃんと那奈ちゃんが倒れたタイミングを見計らって現れたというわけだ」 「そういうことだ…
「ハァッ・・・ハァッ・・・やっぱり2体もいるとめんどくせぇ~!」 俺は那奈と優綺に苦戦を強いられていた。 一方が襲いかかってきたと思えば逆方向からもう一方が襲いかかってくる。 こちらが一方に反撃すればもう一方がその隙を突いてくる。 そういったこ…
しかし、聞こえてくる筈の鈍器で殴ったような音はしなかった。 その代わり、 「グゥ・・・ガァ・・・」 「おい・・・優綺?」 「ガアァァァアアア!!」 優綺ちゃんが雄叫びをあげた。 その姿は、那奈ちゃんと殆ど変わらなかった。 「ひぃっ!!優綺!?」 …
「・・・やっと着いたぁ~」 「緊張感無さ過ぎじゃないですか?」 ということで着きました頂上。 「さて・・・明らかに真ん中に祭壇みたいなのがあるけど・・・何で誰もいないんだろうねぇ?」 言った通り、祭壇らしきものはあるが、人っ子1人いない。 ミ=…
先に動いたのはミ=ゴだった。 ミ=ゴは翼を大きく羽ばたきながら、俺達に襲いかかってきた。 「・・・って3体同時かよ!?」 「マズいぞヒューマノイド!!」 「任せんしゃい!!」 俺はロンズデーライトを壁のように展開して、ミ=ゴの突撃を防いだ。 「…
「・・・いってぇな」 俺の脇腹にミ=ゴの右腕が貫通していた。 「な、何ですか?これ・・・!」 優綺ちゃん、SAN値15減少。 「な・・・あ・・・」 岳大君、SAN値13減少。 「う・・・」 麗香ちゃんSAN値16減少。 「ヒューマノイド!くそっ・・・!」 …
※前回part11と書いてしまいましたが、part12です。失礼しました(直すのめんどくs)。 では本編をお楽しみ下さい。 ー翌日、とある山岳の麓ー 「・・・来たね」 6人全員揃った。 「何度も聞くけど、覚悟は出来てるよね?」 そう言うと、5人は険しい顔で…
「・・・調子はどう?」 「・・・悪くない・・・」 ご近所さんとの格闘が終わり、俺達が優綺ちゃんの家に着いてから数時間後。 那奈ちゃんも大分落ち着いた。 「暴走していた頃の記憶は?」 「・・・ある。しっかり。」 「聞かせてもらえないかな?」 コクン…
「おい!ヒューマ!」 水谷達が戻ってきた。 「あぁ、うん。おかえり」 俺はそれに対して陽気に振る舞う。 「終わった・・・みたいだな」 「何とかね」 怪物は元の那奈の姿に戻っている。 「結構危なかったよ。コイツ素早いのなんの」 「・・・というかかな…
「くっ!!」 突然の一撃を受け、体が一気に数10m後ろに吹っ飛ばされる。 「くそっ!」 空中で体を捻り、飛ばされたコースの先にロンズデーライトを出現させる。 そしてそこに着地して、何とか2次災害は防いだ。 「あっぶねぇ・・・もしもの時の為に体を…
しばらく歩くと、何やら豪華そうな家に着いた。 「住所的にここであってるよね?」 「何か緊張してきました・・・」 「怖がりだなぁ優綺。ここで止まってても何にもなんないじゃん?早く入ろうよ」 「麗香ちゃん強引過ぎ・・・」 「まぁ入るか」 そういって…
「それでも解せないな。施設で監禁すればいいんじゃないか?」 と、もっともながら悪役感満載の事を質問する。 「さらっと凄いこと言ったね・・・まぁ確かに、監禁してた方が本人は安全だろうね。普通なら」 「というと?」 「・・・その元村那奈の父親こそ…
「正直・・・僕もこの実験の全てを知っている訳じゃない」 「んで?さっきから言ってる『実験』って?」 敬語?やめたよ。 「・・・この子達の前で話してもいいのか?」 「大丈夫だ」 口火を切ったのは漢太だった。 「親友が危ない状況にあるというのにほっ…
「着きました」 優綺ちゃんに連れられて俺達は優綺ちゃんの家に着いた。 「うん・・・まぁ豪華っちゃぁ豪華だねぇ・・・」 そんなことを呟きながら早速家の中に入った。 「お父さん、ただいま」 優綺ちゃんがまず家に入った。 因みに母親は病気があって入院…
早速俺達は名刺に書かれていた会社を調べた。 「えっと・・・『株式会社 ハッピーフル』っと・・・」 「それかなり有名な会社じゃない!?」 「・・・麗香ちゃん。それって?」 「逆にアナタ知らないの?その会社は食品会社で、今や国内トップクラスの実力を…
強引に岳大の家に行った俺達は、そこで岳大の母親に何処行ってたのだのアンタ何者だの色々質問され、それを切り抜けるのに相当な気力を消費した。 気力ゲージが極端に短い俺はギブアップ寸前となった。 「おぅぅえ・・・」 「ちょ、大丈夫ですかヒューマノイ…
それから暫く山を下ると、街に出た。 「この街で問題無いよな?」 「はい、大丈夫です」 この街は賑やかで人々に活気がある。 そんな印象を受けた。 「「「おーい!」」」 すると前からこれまた高校生ぐらいのまたまた3人組が走ってきた。 「優綺ー!何処行…
その3人は(雑魚キャラのくせに)異様に口が固く、中々正体を明かさなかった。 「君達って結構強情だね。そろそろ話してもいいのに」 「・・・」 「何にもしないって。だから話してくれよぉ〜」 「・・・」 「あ〜あもうほんとに何もしないでいいや。かーえ…
はぁ〜。 どうしよう、甘く見ていた。 仕事なんて次から次へと来るだろうと思ってた。 なんだよこの状況、放浪者同然だ。 考えてみればあんな大規模なギルドにすら仕事は全然無いのに一人でぶらぶら呑気に旅してる奴に来るはずなかった。 何で気付かなかった…